モアミザン堀の"独自解説!キネマブック"

映画を観た感想をつらつらと書くブログです。

#33 「あゝ決戦航空隊」

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今日は特別攻撃隊(特攻)に関する映画を。

「あゝ決戦航空隊」

1974年、山下耕作監督作品。

出演は鶴田浩二池部良

 特攻の生みの親、大西瀧次郎を題材にした映画。

彼が特攻という戦術を生み出し、そして敗戦、自刃するまでを160分に及ぶ長尺で描く。

しかしながら、近年生みの親に仕立て上げられていたという話も出てきているそうで。

 

大西中将と言えば、「日本のいちばん長い日」で「あと2000万、2000万特攻に出せば必ず勝てます!」という狂気の沙汰とも思える発言をしていたのが有名かと思う。

こちらの大西は非常に部下想い、見方によれば美化している感も否めない。

 

大西が自らの手で送り出した約2000名を含めておよそ6270名が特攻で散った。

だいたいの人は「なんでさっさとやめなかったんだ!」と思うだろう。

でもやめてしまえば、それまでに送り出し、散っていった者達に何と言えばいい。

さんざん送り出しておいて「やっぱり無駄だった」なんて口が裂けても言えないだろう。

 

そんな感じで大西の苦悩がけっこう描かれている。

 

また、本作は先日紹介した「軍旗はためく下に」に少し共通する部分がある。

それは「天皇の戦争責任を追及している」という点。

曰く「天皇も陣頭に立つべき」、曰く「敗戦かどうかは国民が決めること。天皇も首相も閣僚も全て戦死してからの話ではないのか」。

極めつけはこれである。

天皇陛下、あなたは過ちを犯しましたぞ!あなたのお言葉で戦争をお始めになったのに、なにゆえ降伏なさるのでありますか!」

 

この部分を見るだけでも、どれだけ「天皇」という存在が大きかったのかが垣間見える。

この部分に関しては、明日紹介する作品でまた少し触れたいと思う。

 

色々と考えて思うことは、先の大戦は「やらなければ良かった」というのは勿論だが、「やるからには勝たなきゃいけなかった」という事。

どれだけ死力を尽くし、どれだけ犠牲を払っても勝たなければ無駄だったとしか思われないのである。

「勝てば官軍、負ければ賊軍」

まさにその通りである。

その通りであるが、あまりにも辛い現実である。