モアミザン堀の"独自解説!キネマブック"

映画を観た感想をつらつらと書くブログです。

#42 「ランボー」

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今日はスタローン主演の傑作シリーズ第1作「ランボー

1982年、テッド・コルチェフ監督作品。

 2作目、3作目のおかげですっかり娯楽エンターテインメントシリーズと化してしまっている本シリーズだが、1作目の本作こそ傑作と言いたい。

アクション映画というよりは戦争映画であると思う。

 

ジョン・ランボーベトナム戦争からの帰還兵である。

ベトナム時代の戦友を訪ねればすでに死去・・・

しょうがなく近くの街で食事を取ろうとしたら保安官にいちゃもんつけられて逮捕。

そこで拷問まがいのことをされ、捕虜の時の記憶がフラッシュバックして、その場にいた保安官助手を瞬殺して脱走。

たった一人で戦争を始めてしまうのである。

 

端から見れば「お前なにしてんだよ」と思うくらい無意味な抵抗。

この閉塞的で無意味な感じが全編に漂う。

ただの悪あがきにしか見えないのだ。

それでもランボーは怪物的に強い。

保安官や州警察ごときでは全く歯が立たない。

 

そしてベトナム戦争とは、世界最強のアメリカが負けた戦争。

勝てば官軍、負ければ賊軍。

これはアメリカだって例外ではない。

仲間のため、国のために必死で戦っても、帰ってくれば戦争を知らない連中から罵詈雑言の嵐。

そんなボロボロになった、傷だらけの誇りを守るためにランボーは一人無意味とも思える戦いを続けていく。

その姿は惨めで悲壮感が漂う。

 

そしてこの映画は、終盤、元上官のトラウトマン大佐に投降を勧告されたランボーの長い独白が一番の見所である。

「戦いは終わった」と告げる大佐に、

"Nothing is over! Nothing!"

「何も終わっちゃいない!何も!」

 

ここからは涙なしでは観られません・・・

そしてエンドクレジットで流れるDan Hillの「It's a long road」でトドメです。

www.youtube.com

 

こんな感じで、娯楽やエンターテインメントとは程遠いベトナム戦争の傷跡が深く残る作品です。

2,3作目ですっかりヒーローになっちゃったランボーですが、2008年、ついに「ランボー/最後の戦場」で1作目に近いランボーが帰ってきました。

これには大興奮です!

「最後の戦場」も紛れもない傑作なので、そのうちにご紹介したいと思います。