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映画を観た感想をつらつらと書くブログです。

#90 「サウルの息子」

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約2週間ぶりの更新でございます。

先日アカデミー賞の授賞式もあり、今年は「グリーン・ブック」が作品賞を取りましたね。

なかでもアルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA」が外国語、Netflix作品にも関わらず作品賞にノミネート、監督賞および外国語映画賞受賞と善戦していたのが印象的でした。

配信作品がアカデミー賞に絡んでくるようになったとは、時代の変化を感じます・・・

 

というわけで、今回はアカデミー賞つながり(?)で、第88回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したこの作品をご紹介。

サウルの息子

2015年、ネメシュ・ラースロー監督作品。

ハンガリー作品。

 第二次大戦中のナチスによるホロコーストを扱った作品。

先に書いたように、第88回アカデミー賞外国語映画賞を受賞。

その他カンヌ国際映画祭でグランプリ、ゴールデングローブ賞でも外国語映画賞を受賞と各賞を総なめした作品です。

 

ホロコースト作品は、過去にシンドラーのリスト」「戦場のピアニスト」「灰の記憶」等数多くの傑作がありますが、新たな傑作が誕生しましたね。

 

主人公はアウシュビッツ収容所でゾンダーコマンドとして、ガス室で殺されたユダヤ人の死体処理を従事していた。

そんな中、少年の死体を見つけ、それを自分の息子だと思い込む。

そしてその少年を正しく埋葬したいと、絶望的な状況の中奔走する。

 

収容所ではガス室で殺害されたユダヤ人は焼却され、その灰は川などに捨てられていました。

ユダヤ教キリスト教では、正しい者は未来に墓から蘇ると信じられていたので、遺体を焼却してしまうと蘇ることが出来なくなってしまいます。

そんなこともあって、サウルは少年を正しく土葬しようとするわけです。

それと並行して、ゾンダーコマンドによる蜂起計画も進行していき、物語が一気に動き出します。

 

序盤で主人公らの作業風景が描かれているんですが、画面の端に裸で横たわっている死体がずっと映ってるんですね。

そりゃガス室の中だから当然なんですが、そんな中でも表情を変えず淡々と作業をこなす主人公たちが映っていて、かなりの衝撃を受けます。

これが日常なんだと。

「死」がありふれ過ぎていて、感覚が麻痺してしまっている感じ。

そんな体験したことないから分からないし、したくもないですが・・・

 

ラストは色んな見方が出来ますね。

結局どうあがいても絶望しか無かった、それでも一筋の希望はあった。

何かこう書くとパンドラの箱みたいだな・・・

 

衝撃が強すぎて上手く言葉に出来ないですね・・・

月並みの言い方ですが観るのが一番。

 

過去のホロコースト作品と同様にこちらもスーパーヘヴィ級の重さを持つ作品です。

ただまあ現実そんな生易しいものでは決してなかったはずですし、そこをぼやかしては作品の意味がないですしね。

目をそらしてはいけない歴史の一部です。

 

真剣に考えたい時に是非。